不動産売却を検討し始めたときに気になることの1つが、どれくらいの期間を要するかではないでしょうか。
売却にかかる期間を知らないと、売却後の生活について計画するのが難しいですよね。
平均でどれくらいかかるのか、かかる期間にはどれくらい幅があるのか、気になっている方は多いでしょう。

本記事では、不動産売却にかかる期間やその内訳、短期間で売るための方法などをご紹介していきます。
不動産売却を検討している方にとって、非常に役立つ記事となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

□不動産売却には平均でどれくらいかかるの?

不動産売却にかかる期間は、3~9か月程度です。
LIFULL HOME'Sの調査によると、最も多いのが6~9か月で19.7%、続いて多いのが3~6か月で18.5%、3番目に多いのが3か月未満で16.7%となっています。

しかしそれに続くのは1~2年と、とても長くなっています。
平均は6か月ほどですが、逆にとても長い時間がかかってしまう人が多いのも現状です。

□土地の売却の場合

以上は一般的な不動産売却にかかる期間ですが、中でも土地の場合についてご紹介します。

土地の売却期間は、土地の状態によって大きく変わってきます。
たとえば土地の地目が宅地で、既に更地の場合、買い手にとって自由度が高いため、売却しやすいです。

一方で隣地との境界があいまいになっている場合では、土地の測量に時間がかかってしまいます。
ここで隣地の所有者が不明だと、さらに時間を要してしまいます。

他の例として、土地が農地の場合も考えられます。
このケースでは、農地転用が必要で、これに1か月はかかるでしょう。
さらに農業振興地域内の土地であった場合、農振除外も必要となります。
これには半年~数年を要し、売却自体が困難になります。

このように、土地の売却では所要期間が大幅に変わってきます。
売却前に土地の状況を確認し、売却活動を行うかどうか自体について考えることも必要でしょう。

ここまでは不動産売却にかかる期間を紹介してきましたが、売却期間には幅があることが分かったと思います。
そこで気になるのが、「どうすれば素早く売却活動を行えるか」ではないでしょうか。
また、早ければ良いという訳ではなく、「できるだけ高く売りたい」という希望があるのではないでしょうか。

以下ではまず土地売却の流れを紹介して各工程でかかる期間を紹介した後、売却が長引く要因や早く売るためのコツを紹介していきます。

□不動産売却期間の内訳は?

不動産売却の流れは、以下の通りです。

1:査定
2:不動産業者との媒介契約
3:不動産売却開始
4:内覧の受け入れ
5:条件交渉
6:売買契約
7:決済・引き出し

以上の不動産売却の流れは、さらに3つの段階に分かれます。
目安ですが、査定から売却開始までは1~2週間、内覧受け入れから交渉成立までが3~5か月、そこから引き渡しまでが2週間~1か月程度とされています。
査定から契約までは、大体4~6か月ほどと見積もっておくと良いでしょう。

以下では、より詳しく内訳をご紹介します。

「1:査定~3:不動産売却開始」には、1~2週間かかります。
この期間の長さを左右するのは、家の査定と不動産会派の決定のスピードとなります。

「4:売り出し~5:条件交渉」には、約3~5か月かかります。
この段階では実際に売却活動を始めて、購入希望者を探します。
不動産売却において最も売却期間を左右する段階です。
なお、一般に入学や入社を控える2~3月、転勤の多い9~11月は売れやすいと言われています。

「6:売買契約~7:決済・引き出し」には、2週間~1か月程度かかります。
通常は売主側の引っ越しと買い手側の引っ越し日程を調整しつつ、引き渡し日を決定していきます。

□不動産の売却が長引く原因とは

不動産売却にかかる期間を左右するのは、実際の売却活動の部分です。
ここでは主要な4つの要因をご紹介します。

原因の1つ目は、土地が売れにくい場所にあったり、売れにくい形状であったりすることです。
たとえば以下のような状況では、不動産の買い取り手が見つからない期間が長期化します。

・田舎や地方で、需要がない
・土地の形がいびつで建築しづらい
・隣接する不動産の所有者との関係性があまり良くない
・周辺に暴力団事務所やゴミ処理場といった嫌悪施設がある
・地下の残留物が取り除かれていない
・法律上で再販不可となっている
・農地や市街地調整区域など利用制限がある

こうした特徴の中には、解決できるものもあればできないもの、解決に時間がかかるものもあります。
何らかの問題がある場合は、不動産会社の担当者としっかり相談して土地の問題をカバーできるような販売戦略を立てる必要があります。

2つ目は、土地の境界線があいまいなことです。
境界線が不明確だと、2点問題があります。
1点目は正確な土地が分からないこと、2点目は隣接する土地を誤って売るといった、後々のトラブルの原因となることです。
以上の問題が想定されるため、購入希望者としても、境界があいまいな土地は購入しづらくなってしまいます。

土地の境界線を確認する方法は2つあります。

・管轄の法務局へ行く
・登記情報提供サービスを利用して測量図の有無を確認する

なお、測量図の中でも、「地積測量図」や「現況測量図」ではなく、「確定測量図」の確認を行ってください。
情報が古かったり確定測量図が無かったりした場合、土地家屋調査士に作成依頼をすることになります。
この作成には少なくても3~4か月、30〜40万円の費用がかかります。
行政や公的機関の立ち合いが必要な場合、費用はさらに高額になり、60~80万円となります。

3つ目は、相続・離婚によるトラブルです。

・相続した土地の分割を兄弟姉妹でもめている
・離婚での財産分与が決まっていない
・土地の共有者と考え方が違う

以上のように所有者側にトラブルがあれば、スムーズな売却活動は望めません。
ただし、これら問題があっても、一度査定を受けてみるのがおすすめです。
査定額を聞けば反対していた人が売却に賛成するようになったり、不動産会社からすすめてもらった弁護士を通じてトラブルが解決することもあります。

ひとまず不動産会社に相談してみてください。

4つ目は、競合相手が強いことです。
周辺地域に似たような広さや立地の物件があると、購入希望者は条件のより良い方へ流れてしまいます。
この場合、売却にとても時間がかかってしまったり、競合相手に対抗するために値下げを余儀なくされたりするでしょう。
事前に相場を調べ、売却タイミングを見計らうのがおすすめです。

□不動産の売却期間を短くするには?

最後に、不動産の売却期間を短くするためのポイントをご紹介します。

1つ目は、適正価格で売り出すことです。
不動産の売却価格が適正価格よりも過度に高いと、売却期間の長期化につながります。
低すぎるのも損なので、適正価格で売り出すことが重要になってきます。

周辺の似た条件の不動産の売り出し価格を見るのがおすすめです。
そうすることで、適正価格が見えてくるはずです。

2つ目は、引っ越しシーズンを狙って売ることです。
不動産は、毎年「2~3月」または「9~11月」には取引件数が伸びる傾向にあります。
前者は進学・就職による需要増加に対応しており、後者は転勤による需要増加に対応しています。

ここでのポイントは、売り出し時期はピーク時の1か月ほど前にすることです。
こうすることで、ちょうどピーク時に売却できます。
ピーク時は物件価格が上がるため、売却側にとって高価格で売れるというメリットがあります。
たとえば2~3月に売りたい場合、1月くらいから売り出すと良いでしょう。

3つ目は、一般媒介で売りに出すことです。
一般媒介とは、3種類ある「媒介契約」の1つです。
他の2つである「専任媒介」と「専属専任媒介」では、1社の不動産会社にしか仲介を依頼できません。
それに対し、一般媒介では複数の会社に同時に仲介依頼できます。

4つ目は、買取を選択することです。
どうしても早く売りたい場合、不動産買取がおすすめです。
買取では不動産会社が購入者となるため、購入希望者を待つ必要がなく、取引もスムーズに行われます。
売却期間は3日~2週間ほどと、仲介に比べると非常に短いのが最大のメリットです。

ただし、売却価格は下取り価格となり、具体的には仲介の80%程度となってしまいます。
なぜなら、不動産買取では不動産会社は購入後に家をリノベーション・リフォームする必要があり、そこにも費用がかかってしまうからです。
なお、ここから分かるように、不動産買取であればリフォーム・リノベーションの必要もありません。

まとめると、不動産購入後にトラブルといった面倒なことが想定されるとき、購入が躊躇われる傾向にあります。
自分が購入希望者になったときを想定してみると、とても良く理解できるのではないでしょうか。
どうしてもトラブルを解決できなさそうな場合は、買取も検討してみてください。

□まとめ

不動産売却には、平均で4~6か月ほどかかります。
しかし3~9か月ほどかかる人が多いように幅が広いため、平均はあまり当てにならないかもしれません。
そしてこのように幅が広いからこそ、工夫をして短期間で売れるようにしたいところです。

不動産が売れないとき、主に以下のような原因があることが多いです。

・土地が売れにくい場所にあったり、売れにくい形状であったりすること
・土地の境界線があいまいなこと
・相続・離婚によるトラブル
・競合相手が強いこと

また、本記事では以下の不動産の売却期間を短くするためのコツをご紹介しました。

・適正価格で売り出すこと
・引っ越しシーズンを狙って売ること
・一般媒介で売りに出すこと
・買取を選択すること

これらのコツを意識して、スムーズな売却活動を実現していきましょう。

当社では、不動産売却を行っています。
不動産売却でお悩みの方、売却を検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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