社会問題として注目されている、空き家問題。
特に、地域社会や資産管理に関心を持つ方々にとって、最新の法改正による影響は無視できないものとなっています。
そこで今回は、この法改正によって新設された「管理不全空き家」について、その基礎知識と影響を詳しく解説していきます。
□空き家問題と法改正の現状
*空き家の増加とその影響
総務省の調査によれば、平成30年時点での空き家は全国で838万9千戸にのぼり、前回調査から3.6%増加しています。
この増加率は、2030年には470万戸に達すると予測されており、社会問題としての深刻さが伺えます。
放置された空き家は、日常の管理が行われていないため、さまざまな問題を引き起こす可能性が高まります。
*現行の特別措置法とその内容
平成27年に施行された「空き家対策の推進に関する特別措置法」は、空き家の問題に対応するための法令として制定されました。
この法令は、空き家の情報収集や、危険な状態の空き家に対する対策を自治体に委ねています。
しかし、空き家問題に対する自治体の声として、実情に即した制度対応や、空き家の活用に関する対策の強化が求められているのが現状です。
特に、空き家の管理や除去に関する課題は多く、現行の法令だけでは対応しきれない状況となっています。
□「管理不全空き家」とは?
1.管理不全空き家の定義
「管理不全空き家」とは、放置されることで「特定空き家」となる可能性がある空き家を指す言葉です。
このカテゴリーは最新の法改正によって、新たに固定資産税減額解除の対象として設定されました。
具体的には、放置されている状態で、将来的に特定空き家として認定されるリスクがある空き家を指しています。
2.管理不全空き家への対応
管理不全空き家は、各自治体からの「指導」と「勧告」の対象となります。
これは、特定空き家と同様に「勧告」の段階で、空き家の土地に対する「住宅用地特例」が除外されることを意味しています。
その結果、固定資産税の負担額が大幅に増加し、空き家の所有者に大きな経済的影響が及ぶ可能性が高いです。
3.管理不全空き家の現状とその影響
現在、市区町村が把握している特定空き家は約2万戸となっていますが、管理不全空き家はその12倍の約24万戸に上るのです。
この数字を見ると、空き家問題の深刻さが伺えます。
特に2023年末には、固定資産税減額解除の対象となる空き家が大幅に増加することが見込まれ、空き家の所有者は迅速な対策や対応が必要となっています。
4.管理不全空き家の課題
空き家の中には、所有者が明確でないものも多く見られます。
このような状況下では、所有者探索の手間やコストが増えるだけでなく、適切な管理や対策が難しいといえます。
そのため、所有者の特定や、管理の円滑化を図るための新しい制度や取り組みが望まれているのです。
□まとめ
空き家問題は、今後も増加の一途をたどると予測されています。
そんな空き家問題が悪化していくのを防ぐためには、最新の法改正による「管理不全空き家」の定義や影響を理解し、適切な対策を講じることが求められています。
社会問題としての空き家問題を正しく捉え直し、地域社会や資産管理における適切な対応を心がけましょう。
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