住宅の購入や相続を検討しているあなたは、共有名義という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
共有名義は、複数の所有者が不動産を共同で所有する仕組みです。

しかし、共有名義にするメリットやデメリットを理解していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
この記事では、住宅を共有名義にすることのメリットと注意点について詳しく解説していきます。

□住宅共有名義の基本とは?

住宅を共有名義にするとは、夫婦や家族など複数人で所有権を共有することを意味します。
具体的には、不動産登記簿に複数の所有者名を記載し、それぞれの所有割合を明確にします。

例えば、夫婦で住宅を購入し、それぞれが半分の所有権を持つ場合は、登記簿に「夫 ○○ 1/2、妻 △△ 1/2」と記載されます。

住宅を共有名義にする理由は様々ですが、代表的なものを挙げると次の通りです。

1:資金調達

単独では住宅購入資金が足りない場合、複数人で出資することで購入を現実的にできます。

2:相続対策

相続時に不動産をスムーズに分割したり、相続税を節税したりするために、事前に共有名義にしておくケースがあります。

3:共同生活

夫婦や家族で共同で住宅を購入し、所有権を共有することで、将来的なトラブルを回避し、安定した生活を築きたいと考える場合に有効です。

□住宅共有名義のメリットと注意点

共有名義にすることで、税金面や相続面で様々なメリットが期待できます。

しかし、メリットだけでなく、注意すべき点もいくつか存在します。

*住宅共有名義のメリット

1:税金面での優遇

住宅ローン控除や不動産売却時の特別控除を、それぞれの所有者が個別で受けられる可能性があります。
例えば、夫婦で住宅を購入し、それぞれが50%ずつ所有している場合、住宅ローン控除は夫婦それぞれが最大13年間、最大130万円の控除を受けることが可能です。

2:相続税の節税

相続時に不動産の評価額が減額される場合があり、相続税を節税できる可能性があります。
例えば、夫が単独で所有していた住宅を、妻との共有名義に変更しておけば、夫が亡くなった際に、妻の持ち分は相続税の対象から外れる可能性があります。

3:不動産の売却がスムーズ

共有名義の場合、売却時に全所有者の同意があれば売却が可能です。
単独所有の場合、売却時には所有者の同意のみで済むため、売却手続きがスムーズに進みます。

*住宅共有名義の注意点

1: 所有者間のトラブル

共有名義にすることで、所有者間で意見が食い違うことがあり、トラブルに発展する可能性があります。
例えば、売却やリフォームなどの際に、所有者間の合意が得られない場合、売却やリフォームが難航する可能性があります。

2:責任の共有

所有者全員が不動産に関する責任を負うことになります。
例えば、不動産の管理費や修繕費を滞納した場合、全所有者で責任を共有することになります。

3:不動産の分割

共有名義の不動産を分割する場合、所有者間の合意が必要になります。
分割が難しい場合、不動産の売却を検討する必要があるかもしれません。

□まとめ

住宅を共有名義にすることは、税金面や相続面でメリットがある一方で、所有者間のトラブルや責任の共有など、注意すべき点も存在します。
共有名義にする前に、メリットとデメリットを十分に理解し、将来的なリスクを考慮した上で慎重に判断することが重要です。
特に、所有者間の意思疎通を図り、トラブルを未然に防ぐための対策をしっかりと検討しておくことが大切です。

事例 当社の売却実績はこちら